リアルを求めて、福井・吉崎ロケハンを敢行!
映画「なぜ生きる ——蓮如上人と吉崎炎上」のタイトルにある「吉崎」とは、どこのことでしょう。
「吉崎」とは、石川県と福井県の境にある地名で、室町時代の文明3年(1471)に蓮如上人がこの地で大寺院を建立し、訪れる人に仏教の法話をされました。
現在でも「吉崎御坊跡」として知られています。
この吉崎は、当時「虎や狼がすむ」とまでいわれるほど寂しい一漁村でした。
しかし、蓮如上人が京都から吉崎へ移られてから、法話を聞きたい人が吉崎御坊へ大勢集うようになりました。
記録では200軒もの宿舎や民家が軒を連ね大繁盛したといわれています。
しかし、文明6年(1474)に御坊が火災に遭います。映画タイトルにある「吉崎炎上」の事件です。
そう、このアニメ映画は、史実を元にして描かれているのです。
その歴史上の事実をリアルに描こうと、アニメーション制作スタッフは吉崎ロケハンを昨年敢行致しました。
大庭監督、追分プロデューサーを始め、スタジオディーン、背景美術・設定担当者など大勢のスタッフが石川から吉崎に入り、御坊跡地と周辺を丹念に取材致しました。
さらにその足で、中世の建造物の参考にするため、一乗谷朝倉氏遺跡復原町並にも足を伸ばしました。
その取材の成果は、作品の中で生かされ、歴史アニメながらも実にリアルな世界観が生み出されています。